2012年2月20日月曜日

りっちゃんさんの書いたライトノベルについての卒業論文が面白い

ライトノベルの本質 卒論 ver3
高田馬場大学生のりっちゃんさんが書いた卒業論文。ライトノベルをキャラクター性を持つものと定義し、またライトノベルを社会学的な位置づけにおいて使用するというアイデアについての論文。

最後の私見においての電子書籍の項がいい。電子書籍では文章を補完するものとして音楽や挿絵などがあった(キネティックノベルやサウンドノベルなど)が、そこに3Dモデリングによって作られた映像情報としてのキャラクターを挿入するというアイデアは面白い。

キャラクター小説であるがゆえにそれが違和感なく行えるが、他の一般文学ではそこに違和感が出てくる。よって、ライトノベルは電子書籍と親和性が高く、なお躍進していくことになるだろうという推察はなかなか魅力的だ。

しかし、今の出版社の対応を見ているとそれはまだ先のことのような気がする。電撃文庫であっても電子書籍化された作品は少ない。新しい文学を扱っている出版社においてもこの現状では、見立てが甘い。

ライトノベルの未来に対しては今のままでは悲観的な立場だ。 そんな中でGA文庫から出されているGA文庫マガジンの電子書籍板については賞賛したいところだ。

この論文を読むことで多くの人がライトノベルについて興味を持ってくれるとありがたい。これ自体も読みやすいしね。
  

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